「THE BLUES Movie Project」のDVDボックスセット8枚組と
その総仕上げであるラジオシティ・ミュージックホールでの
総勢50人の演奏を収録した「LIGHTNING in A BOTTLE」を見た。
ボックスセットの方は限定版だったので一時期、値段が跳ね上がって
手を出せずにいたのだが、ようやく発売当時の値段に戻って
購入に至った次第である。いや株の話しじゃなくDVDのことね・・・。
合計9枚のDVDを2週間かけて見ながら
いろいろ考えさせられた。
例えば悪名高い奴隷制度。
事の発端はこの吐き気のするような白人の身勝手な行為なんだが
西アフリカからアメリカ大陸に黒人が連れてこられなければ
Bluesやそれに続くポピュラーミュージックも
生まれなかっただろうと思うと
私は複雑な思いに駆られる。
その歴史の延長線上にエルビス・プレスリーがいて
ビートルズやストーンズもいるわけで
歴史の残酷さの中で育まれた
せめてもの救いと理解すべきなんだろうか?
綿花畑での日々の辛い労働、白人達の暴力と収奪。
音楽の立ち上がる瞬間というのは決して幸福な状況ばかりじゃないって
これらの映像は物語っている。
いや、そんな状況だからこそ音楽にしか
救いや癒しを求められなかったってことなんだろうな。
そしてレコードがいくら売れても黒人ミュージシャンは貧乏なままで
レーベルばかりが儲けてた話しなんかは
少しばかり現在の著作権をとりまく問題を思い起こさせる。
アメリカで下火になったBluesが海を渡り
イギリスの若者に愛され敬われストーンズやクリームによって
アメリカへ逆輸入されたことでBluesは息を吹き返した。
ストーンズが憧れのチェス・レーベルにレコーディングに訪れたとき
壁のペンキ塗りをしていた親父がマディ・ウォータースだったんで
ストーンズのメンバーがオッタマゲタってエピソードも
まぁ嘘じゃなかろう。
あのB・Bキングでさえインタビューで
「彼らには感謝している。」って目を潤ませてたんだから。
ボックスセットは値段もはるし入手もし辛いだろうからアレだけど
「LIGHTNING in A BOTTLE」の方は
全ての音楽ファンに見て欲しい牛田一押しのDVDだ。
演奏の素晴らしさは言わずもがな
対訳で日本語歌詞が字幕スーパーで見られるのも嬉しい。
ちょっと気になったのはパッケージに目立つようにレイアウトされた
エアロスミスのスティーブン・タイラーとジョー・ペリーの写真は
若いロックファンを取り込もうとしてのことだろうけど
Bluesファンに間違ったメッセージを送っているんじゃないだろうか?
よくあるロックフェスティバルに
チョロットBluesミュージシャン参加みたいに思わしてしまう。
内容はまったくその逆だ。
見所満載でどの演奏も甲乙付けがたいのだけど
あえて一つ紹介するとインディア・アリーの歌う「奇妙な果実」に
私は不覚にも泣いてしまった。
オリジナルはご存じの方も多いかと思うが
ビリー・ホリデーが歌った問題作だ。
白人の暴力により木に吊され
風に揺れる黒人の遺体を果実に例えたこの曲を
インディア・アリーは
もの悲しく美しく、そして気高く歌って見せる。
そしてなによりもこの「LIGHTNING in A BOTTLE」が素晴らしいのは
性別、年齢、人種を超えて
ステージも客席もみんなが楽しんでいるってことだ。
Bluesに興味が有る無しを問わずに音楽が好きな人なら
このDVDに絶対に心を揺さぶられるはずだ!
ダウンロード用リンク
「雨の向こうから」

どうもご指摘ありがとう御座います。
寝ぼけておりました。
早速、直しておきます。