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2008年02月08日

空気を読む話。

所詮、自己表現などというものは痛くてキモイものではあると
身も蓋もないことを考えてしまうわけである。
そうであるからこそ面白いとも思うのだが


ネット上でも他人を揶揄したり中傷したりする意味で使われる
“痛い”“キモイ”は良く目にする言葉ではあるわけだが
“痛くない”“キモくない”という状態がどのようなものか
その場で同時に提示される場面には、まず立ち会うことはないし
私自身、それがどういう状態なのかイメージ出来ない。
周りを見渡してみても痛くもキモくもない人間というのは皆無で
誰もが、なにがしかの“痛さ”“キモさ”を抱えていて
私みたいな出来の悪い人間は
同類、相哀れむごとくホッと胸をなで下ろしさえする。

自分自身の価値観とは違うということを
どうとらえて表出するかというのは、おそらく今どき流行の品格とやらに
かかわる問題でもあるのだろうとは思う。

私の個人的な感覚から言えば“痛い”“キモイ”と並んで“品格”というのも
やたらと持ち出されるのは、あまり良い気分にはならない。
たぶん言葉の流行りにやすやすと乗っかってしまう感性に
私が嫌悪感を感じてしまう性分なのが一番の原因であろう。
それに僅かばかりの優生思想的な気まずさも感じてしまうし
まさにそれこそ痛くてキモくて品格の無い状態で
最近ではKY(空気が読めない)の使われ方にも同様のことを感じる。

悪意の在る無しはひとまず置いといても主体的な私は
他人になにがしかの評価を与え分類する。
そこから多様性を認め受け入れないまでも
否定せずにいられるかどうかというのは
ある種の鑑定眼と慎重さというのが必要とされるのだろうが
おそらく“痛い”"キモイ”はそれらを放棄した条件反射のような
反応の表出なのだろうとは思う。

まぁ、その場限りのやりとりなんて雑になっても当然ではあるのだけど
「いったいおまえは何様!?」
「何でそんなに得意げなんだ!?」という感覚がいつもつきまとう。
それでも、慣れてくるとどうでもよくなるのが常では在るのだが・・・


長い枕であったが本題はここから。

こうやって、ひとつひとつどうでもよいと思うことが増えていく。
おそらく私の感性は関係性の死を拡大しているのだ。
映画の「ネバーエンディング・ストーリ」ではないけれど虚無感の内的拡散。
まずいことに自分が当事者として関わっていることにすら
"どうでもよい”感覚に囚われてしまう。
正確には"どうでも”よくはないのだけど
周囲の反応に過剰さを感じてしまうことによって積極的に"どうでもよい”を
選択してバランスをとっているという状態。
もちろん、このバランスというのは私の主観である。
過剰さというのも私の基準で判断しているから
周囲から見れば、私はかなりズレているのだろうと思う。
つまり私が、空気が読めていないと判断される状況。
おいおい、気がつくとオイラ
リチャード・マシスンの「地球最後の男」みたいになっちまってるよ・・・
みたいなことである。

このズレを修正するのはかなり面倒な作業ではある。
大概の場合、修正しきれなくて辛い目に遭ってしまうわけだが
差異の修正を強いる行為というのは善悪とか正否ではなくて
細部にまで宿っている権力構造に
組み込まれていくことを意味しているのだなとつくずく思う次第である。

KY(以下、空気を読むことの意味で使用)は大事な能力なんだとは思う。
ただ、それを強いられる共同体というのも一方では息苦しくも感じる。
その息苦しさを回避するための答えがKYなんだろうけど
無邪気にKYというのを肯定するのも嫌だし
さりとて全く必要ないと言うのも違うと思う。
読めないよりは読めたほうがよいのだろうが
それをどう運用し行使していくかが
まさに自分がどのようにありたいかの選択肢でアルとも言える。
はた迷惑な存在にもなりうるといったことも含めて・・・

要は程度問題なのだろうけど
私と周囲の関係性の中で
どちらかに針が振りきれてしまっている状態というのを
私は嫌っているのだろうな。
そして最終的には、そういったことに対応するのが面倒になってしまうのだ。
結果的に自身に嘘をつくことにもなってしまうことを心の何処かで気がついている。

繰り返しになるが、それでも共同体というのは
共同体であるが故にその差異の修正を放っておけないわけではあるのだが・・・

本当にどうでもいいや。
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