それほど憶えていないことに
我ながら愕然としてしまった長月の初日。
そういえば高知に単身赴任していた父親を訪ねて
一週間ほど過ごしたことがあったっけ・・・。
小学校の三年だったかな?
あの時は河で泳いでいて溺れてしまい危ういところで
近くで釣りをしていた父親に助けられた。
相当、河の水を飲んでしまった私はしょぼくれていたと思う。
書いてるうちにその夏のことを少しだけ思い出した。
父親の運転するバイクの後ろに乗ってラーメンを食いにいった。
父親は腹が減ってなかったので私だけ食べた。
これが子供心にも不味いラーメンだったが
「美味しかったか?」と父親に尋ねられて”不味い”とは言えず
とりあえず頷いた。
今にして思えばいったい何を気遣っていたのやら・・・?
夏の思い出・・・。
夏休みの宿題をまともに全部、提出したことは一度も無かったと思う。
夏の思い出・・・。
小学生のころ友人と海に泳ぎに行って
たぶんハオコゼかなにか毒魚を踏んづけて歩けなくなったことがあった。
助けてくれた子供連れの知らないおじさんの太股には
虎の彫り物があったけ。
結局、母親に迎えにきてもらった。
おじさんは知らないうちに何処かへ行ってしまっていた。
夏の思い出・・・。
記憶がたぶん前後しているけど
台風で床上浸水した時があった。
あの時は部屋中のものが濡れないように高い場所へ移動した。
ちょうど親戚からあずかっていた犬が子犬を3〜4匹産んだ直後の台風で
(動物話に登場した”クリ”のこと)
可哀相に子犬は全部、溺死してしまった。
水を吸って重たくなった目も開いていない子犬の死体を
保健所に引き取ってもらった。嫌な重さだった。
夏の思い出・・・。
予備校で過ごした夏休みは
只、焦燥と変わりばえのしない日常に浪費されていった。
自習室に毎日のように入り浸っていたのは勉強をするためではなく
私の部屋にはないエアコンがあったからだ。
夏の思い出・・・。
一時期、甲子園球場の近くに住んでいたことがある。
エアコンの無い部屋の窓を開け放ち
扇風機のぬるくて重い風だけが頼り。
甲子園球児を応援するためのバスの駐車場から埃と排ガスが舞い込み。
私は一日中、ブルース・スプリングスティーンのLP「明日無き暴走」
ばかり聴いていたっけ。
夏の思い出・・・。
そうそう、あの曲の歌入れをした日は、随分、暑かった。
夏の思い出・・・。
とうとう、あの娘からの電話はこなくなった。
夏の思い出・・・。憶えてないと書きつつも
思い出してみると意外に記憶が甦ってくるもんだ。
・・・きりがない。もう、やめとこう。
